中小企業にみるフットワークの軽さの本質
■中小企業でよく言われるフットワークの実態 中小企業が大企業と比較して言われる利点として、フットワークの軽さがよく挙がる。 これは、大企業のように役職の人数の少なさや経営者への決裁過程が少ないことにより、経営判断が早くなる、という意味と考えている。 しかし、まさに中小企業にいる身として、このフットワークの軽さについて考えるところがある。特に以下の通り2点挙げたい。 ■フットワークの軽さよりも認識の通達のほうが大事 上述した通り、決済過程が大企業と比較して少ないことから、中小企業では経営判断が早いといわれる。 しかし、問題はこの後の経営判断を如何に社員(下流)に通達し、経営判断を浸透させるかが肝要だ。 そして、 そもそもこの前提には社員が経営判断についていける必要がある。 零細企業の規模であれば、経営判断について質疑応答もできるし、異論があっても喧々諤々話し合える。 しかし、中小企業の規模によっては、経営者と社員の間が少しずつ遠くなるため、管理職が入り、経営判断を通達することになるが、間が遠い時点で、浸透に時間がかかる。 フットワークが軽いというのは、あくまで経営判断の早さを指しているのみで、その後の社員への浸透は別次元の問題だ。 ■経営者と管理職の方向性が一致していないと大企業より悲惨 中小企業の人数で浸透が難しいために、経営者と社員の間に立つのが管理職だ。 経営者の経営判断を理解し、社員に伝達し、浸透を図る。 企業という構造上、決定プロセスおよびその後の浸透はトップダウンになる。 が、経営者と管理職の考え方の方向性が一致していない場合、これはよりこじれることになる。 ルートは主に二つ。 ①経営者の経営判断を意図的に管理職が止める ②経営者が経営判断を意図的に管理職と飛ばして社員に伝達する 社員として全くもって迷惑なのは②のルートだ。 経営者から言われれば、会社マターとして経営判断に準じていたら、管理職は実は知らなかった、何故か管理職から叱責されるという会社組織としてはどうかしている状況になる。 笑い話にしたいが、実際に僕が経験しているため、全く笑えない (だからこそ今日のテーマとしたのだが)。 いずれのルートでも問題なのは、 経営者と管理職の認識の不一致だ。 社員で