建設コンサルタントの具体的な仕事【地方の建設コンサルタント】
【建設コンサルタントってじゃあ何やるの?】
あって当たり前、けどなければ人間的な生活の営みが確保できなくなる。
まさに社会の基盤であるインフラ。
そんなインフラを扱う建設コンサルタントは、何をやるのか。
正直、この答えは一言で表せない。
なぜなら、建設コンサルタントの領域はあまりに多岐にわたるからだ。
それでも、ある程度の分類は可能だ。
大まかには以下の通り。
①調査
②設計
③施工
④維持管理
ここでは、橋梁を例に挙げよう。
【①調査…そもそも橋梁、架けれるの?】
橋梁を架けることで生活の利便性は上がる。
一方、橋梁を架けたいといっても、本当に建設できるかは分からない。
例えば、土地の所有状況的に、そもそも建設することが可能か。
例えば、土質の状況から、橋梁を架けることに適している場所か。
例えば、周辺環境に貴重な自然や生態系がないか、建設することで脅かされないか。
例えば、どの程度の交通量が見込まれるか。
このように、橋梁を架ける前に、本当に建設していいのか、建設できる敷地なのかを事業者としては知る必要がある。
このため、建設可能性を明らかにするために、先ず調査が行われる。
【②設計…どんな橋を架けるの?】
①調査の結果、橋梁が建設可能と判断されると、具体的にどんな橋梁にするかの検討に入る。
これが設計である。
設計の内容はいろいろあるが、工事用図書の作成が基本。
このとき、様々な視点で検討を行う。
構造では、どの程度に交通量でどの程度、何年維持できるようにするか。
経済性では、様々な種類の構造や橋を架けるルートによって、費用対効果が大きくなるか。
施工性では、施工のしやすさや工期の短縮、道路を占用する方法を考慮する。
検討項目は多岐にわたることが多く、クライアントと打ち合わせを多く重ねる。
【③施工…実際に橋梁を建設する】
②設計が終了した次の段階は実際に設計を元に橋梁を建設する。
この段階は③施工となる。
ここでは、施工会社が主導するため、建設コンサルタントは余り出てこない。
【④維持管理…どうやったら橋梁を長く利用できるか】
橋梁は建設して終わり、というわけにはいかない。
インフラ全般そうだが、施設建設後、すぐ壊れてしまってはお金がいくらあっても足りない。
インフラを建設するからには、なるべく長く利用できるようにすることで費用対効果を大きくすることが望まれる。
故に、インフラ建設後は④維持管理が必要となる。
維持管理は高度経済成長に建設された時期から30年以上経過した現代において特に重要なテーマだ。
お金の面もあるが、利用者の安全を確保する側面も大きい。
大きな転機は笹子トンネル天井落下事故だ。
これはまた別の機会に書こうと思う。
維持管理のアプローチは、劣化の未然防止、修復、補修など。
維持管理も範囲が広く、調査、点検、診断、補修設計、補修工事に分かれる。
①調査、②設計、③施工のサイクルが内包されているイメージだ。
【住み分けによる高い専門性の確保】
以上、建設コンサルタントの分類を示してみた。
①調査
②設計
③施工
④維持管理
どう感じただろうか。
実際は、調査の中でも環境、地質、設計でも道路、橋梁、上水道、下水道、ダムなどなど、分野がさらに分かれる。
余りに多岐にわたりすぎて、余計イメージつかなくなったかもしれない。
安心してほしい。
あなたが建設コンサルタントになっても、このすべてを担当するわけではない。
建設コンサルタントは、これらの分類や分野の中で住み分けされ、特化していく。
建設コンサルタントは専門性が高いといわれる所以はここにある。
言い方を変えると、いずれかの分野に特化することがこの業界では求められるのだ。
次回は、企業規模や都市と地方間の業務内容の変化について考えてみたい。
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