大手と地方の建設コンサルタントの違い(発注者、業務内容)【地方の建設コンサルタント】
【建設コンサルタントを比較してみる パート2】
前回の投稿に引き続き、建設コンサルタントを以下の二つに分けてそれぞれの特徴や様々な視点で比較していこう。①大手建設コンサルタント
②地方建設コンサルタント
振り返りとして、①大手建設コンサルタントは
様々な分野から集まった技術者集団
技術開発のリーディングカンパニー
といえる。
大して②地方建設コンサルタントは
いわゆる中小企業
地場に根を張り、ローカルをよく知っているため発注者に頼られやすい
が特徴だ。
前回は
①規模
②勤務地
を解説したので、引き続き
③発注者
④業務内容
を解説していこう。
以下、比較表も再掲する。
【発注者】
①大手建設コンサルタントと②地方建設コンサルタントでは、発注者(=仕事を出す組織や団体)も異なる。①大手建設コンサルタントは、その組織力、研究開発能力の高さから、発注者の規模も大きくなりやすい。
国の省庁(国土交通省、経済産業省、環境省等)、都道府県がその典型だ。
海外業務に強い大手建設コンサルタントの場合、JICA(日本国際機構)や、海外政府が該当する。
②地方の建設コンサルタントの発注者は、その規模から都道府県や市町村が主となる。
地方の建設コンサルタントでも、極めて珍しく、尖った領域、強みを持っている場合、省庁やJICAもあり得なくはない。
が、一般論として地方の建設コンサルタントは、地場に根付く特性から、発注者も地場になる。
【業務内容】
これまで解説してきた項目と比較して、この業務内容が最も大きく異なる点だろう。
端的言えば、
大手建設コンサルタントは川上の領域
地方建設コンサルタントは川下の領域
のように分かれる。
もう少し詳しく解説しよう。
建設コンサルタントの業務内容は、一つの事業で見ても以下の大きな流れの中にある。
①基本構想
②基本計画
③基本設計
④実施設計
それぞれの言葉が分からなくても問題ない。
ここで伝えたいことは、
上に行くほど抽象度が高く、実現可能性が高いか検討する川上の領域があり
下に行くほど具体性が高く、工事が可能な成果を提供する川下の領域がある
ということだ。
これらの流れを全体通して行う会社もなくはないが、一般に各段階で別に建設コンサルタントに発注することが多い。つまり、
川上の領域が強いのは大手建設コンサルタントであり
川下の領域が強いのは地方建設コンサルタントである
といえる。
誤解のないように付け加えておくと、ここで僕が言いたいことは、
川上の領域、川下の領域どちらが良い、悪いという話ではなく、
領域が分かれていることで、大手建設コンサルタントと地方建設コンサルタントは住み分けされている事実だ。
事業を行う際に、どの会社も実現可能性ばかりやっていては、形になっていかない。
他方、どの会社も具体的な話ばかりなってしまっては、面白味が削がれてしまう。
領域によって建設コンサルタント同士がすみ分けることで、それぞれの得意領域を伸ばしていくことが出来る。
発注者としても、大手建設コンサルタントに川上の領域を担当してもらい、川下の領域が強い地方建設コンサルタントに担当してもらうことで、事業のバランスをとることが出来るメリットがある。
【発注者と業務内容のまとめ】
以上、発注者と業務内容の切り口から大手建設コンサルタントと地方建設コンサルタントをまとめてみた。
特に業務内容は両者で大きく特性が異なるため、あなたが建設コンサルタントで働くことを想定しているなら、
川上の領域でいろんな構想や可能性を提案をしたいか
川下の領域でより地場で具体的な形や工法を提案したいか
などの考え方で選択を考えてみてもよいのではないだろうか。
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