残業は害悪なのか?【地方の建設コンサルタント】

残業と切り離せない建設業界


建設業界と残業時間は切っても切り離せない関係にある。
そして、建設コンサルタントもその範疇に入る。

働き方改革が叫ばれて久しく、建設業界でも現場では週休二日制、ノー残業デーの推進など様々な施策が打ち出されている。

さて、残業とは果たして悪なのだろうか。

この投稿では残業について綴っていこう。


健康を害する残業は絶対NG



大前提として、過労死ラインと言われる80時間を超えるような残業はもちろん問題だ。
休日を死守する場合、通常の就業時間に加え4時間残業することになる。

過労ラインまでいかなくとも残業60時間の場合、休日を確保するならざっくり平日3時間の残業を行うことになり、基本的な就業時間である8時間に加えると11時間にもなる。
このほか、通勤や出勤の準備等を加えるとあっという間に半日以上会社に時間を費やすことになる。

一日の半分以上が仕事で埋まるのは、自分の余暇や勉強の時間を確保できない意味でストレスフルであり、精神を疲弊する原因となる。

改めて言うまでもなく、健全な仕事をするには、健全な肉体と精神が必須であり、純粋に長時間の労働は健全性を蝕んでいく。

ひとが人並みの生活をするためには、健康と引き換えに残業をしてはいけない。


残業には良い・悪いに分けられる



とはいえ、僕としては「すべての残業が悪だ!」を切り捨てるつもりもない。

例えば、以下のような状態であれば、時間がもっとほしいと思うのではないだろうか。

自己の成長につながると自覚している業務
自主的にやりたいと選択した業務

ポイントは、自己のためになると納得しているかだ。

例えば、僕は学生まではよくTVゲームをやっていたが、ハマると時間を忘れてどんどんのめり込んでいってしまう。ゲームをやりながら寝落ちしていたなんてよくあった。

その感覚と一緒で、自分が興味を持っていたり、やりたいと考えていた業務に従事することになれば、時間がかかっても楽しくできるのではないだろうか。

僕は、これを良い残業と呼びたい。


肉体、精神を摩耗する残業=悪い残業



一方、こんな残業はとてもではないが楽しくは出来ないだろう。

納期に追われ、常に考える余裕がない業務
膨大な量の業務を自分だけでこなさなければいけない状況
自己の成長が見いだせないルーティンワーク

これらに共通するのは、自身の成長の余地が見いだせない、ということだ。

人間、どんな出来事でも心と体にゆとりがあれば、学びに繋げられると僕は考えている。
が、そんな精神はあくまで心と体が健全でゆとりがある場合に限られる。

上記の状況は自己成長につながるどころか、自分が消耗されるような感覚を受けることにつながる。
その心理は残業時間が重なるごとに比例していき、どんどんストレスが積みあがっていく。

「あれ、なんで僕はこんなことしているんだろう…」と思ったら、要注意だ。


悪い残業は自分でやらない



悪い残業はこの世から抹消されるべきだが、残念ながら存在してしまう。

そのため、なるべく悪い残業に関わらない方策が必要となる。

例えば、以下が考えられるだろう。

業務をブレイクダウンし上司や部下、パートさんに作業してもらう
協力会社やクラウドソーシングなどにより外注する

ここで言いたいのは、本当にその業務やタスクは自分がやらないといけないのかを明らかにすることだ。

やらなくていいのなら、どんどん誰かに任せてしまい、悪い残業を減らすことだ。

調べものに時間がかかるなら、上司に聞き、探索時間を短縮する。
ちょっと複雑な資料作りなんかを部下に任せて、自分は添削に回る。
単純作業であるならパートさんに一任し、チェックだけ担当する。
難易度が高く、社内で回せないようならどんどん業務をアウトソースし、人は管理に回る。

ざっと考えただけでも、色々方策はあるだろう。
悪い残業をそのまま受け止めるのではなく、「いかに悪い残業をやらずに済むか」に腐心する方が、自身のためでもある。


(やるなら)よい残業だけを遂行しよう



今回の投稿で伝えたいことは、以下の4つ。

①過労死ライン80時間を超えるような残業は害悪
②いい残業は自分の成長につながると自分が納得している状態
③悪い残業は自己成長が見いだせない状態
④アウトソーシングにより、悪い残業を極力減らす


繰り返すが、体や精神を壊すような残業は、この世から根絶されるべき悪だ。
可及的速やかに逃げるなり労働基準監督署に通報するなり、対策を講じることが肝要だ。


自己成長のために残業をやってもよいと思う方もいれば、絶対残業なんてやらないという方もいるだろう。
ここは個人の思想やQOLの考え方が出てくるため、答えは千差万別だろう。

仕事はあくまで給与をもらうためだけのツールであり、余暇がメインであると考えるなら、そもそも残業するなんて考えにも至らないだろうし、それはそれで正解だ。

一方、まったく残業なしになると、スキルを磨くという意味で会社以外で作業が出来なくて困る、なんてかたもいるだろう。それもまた正解だ。

一概に残業はすべて悪だと切り捨てることも可能だが、自分の業務への捉え方によって残業に対するマインドは変わる。
端的に言えば、自身の心の持ち方ともいえる。

少なくとも、体や精神を壊すようなマイナスの残業でなく、プラスになるのであるならば、残業は出来る余地があってもよいのではないだろうか。

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