建設コンサルタント志望の就活生のCADに対する不安への回答

就活生が不安なことのひとつ、CAD


就職活動が徐々に加速してくる時期だ。

僕は、これまで会社の採用活動の関係で、1年目から合同説明会や社内での会社説明会の一部を担当してきた。
その中で、僕が所属する設計部について良くある質問のひとつの系統が、

「理系の大学ではなかったので、CADが使えるかわからない」
「会社で使っているCADってなんだか難しそう」

など、CADに関する事柄だ。
今回は僕が思うCADについて説明したい。

CADは所詮は「手段」

結論として、CADは難しくない。

土木業界で使われるCADのソフトウェアには、Autocadをはじめ様々あるが、基本の基本は一緒だ。

コンピューターを使って電子的に線を引き、図面を描く。
これに尽きる。

設計図面なんて言われるとなんだか難しく聞こえるかもしれないが、極端に言えば設計図面は線の集合体でしかない。

CADは、そのための手段に過ぎないのだ。
そしてこの手段自体はそれほど難しくはない。

例えるとするなら、自転車が分かりやすいかもしれない。

誰もが最初は自転車に乗れない。乗り方を知らないからだ。
バランスのとり方、ハンドルの方向の設定、ペダルの漕ぐタイミング、いろんなことを試行錯誤しながら、段々と乗れるようになり、結果、無意識でもバランスを取り、ハンドルを向きをコントロールしながら、ペダルの踏み込み具合でスピードを調整している。

CADも同様に、誰もが最初からCADの操作なんて知るわけではない。線を引くのにどんなコマンドがあるのか、線種や線色はどのように設定するか、レイヤーの考え方などを試行錯誤しながら使っていくうちに、やがて手の代わりとなって、いちいち考えなくともショートカット等を使いこなして線を引くようになる。

そして、仕事で毎日使えば、1カ月あれば、大体書きたい形や一通りのハウツーは身に着けられる。
個人的な実感値としてもそうだし、CADを今まで使ったことのない僕の後輩やパートさんが覚える際も、大体1カ月あれば一通りは使えるようになる。

CADは線を引くためのただの手段、道具なのだ。
そう考えたら、ちょっとハードルが下がるのではないだろうか。

CADより大事なことは「図面を読むこと」

CADは手段、道具であり、その結果としてアウトプットである設計図面が完成する。
僕としては、CADより重要なことは、CADで書いた設計図面を理解できるようになることだ。

先にも記載した通り、設計図面は線の集合体だ。
しかし、この線には、一本一本に意味がある。

構造物の外郭
地形を表すコンター
構造物の背面や中心線
などなど

線の集合体によって、図面は意味を持ち、様々な情報を伝えることが出来、結果的に工事を行うことが出来るようになる。

つまり、建設コンサルタントとして必要なのは、線の情報を読み解き、図面を理解すること(=読めること)だ。

図面はいきなり読めるものでもない。
これも、図面を描いたりいろんな図面を見ることで、段々と読めるようになる。
CADを覚えるほどすぐには理解するのは難しいが、仕事の過程で覚えていくので今できなくても安心してよいだろう。

「CAD=手段」、「図面=目的」と理解しよう

以上、CADと図面の理解について書き連ねた。

端的にいって、CADはそんなに難しくない。

それよりも重要となるのは、CADを手段として、意味が伝わる相手が読める図面を描くこと考えて貰えれば幸いである。

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