一級建築士の製図の学校を選ぶときの5つのポイント【資格】
一級建築士の製図試験対策=資格の学校
昨年度一級建築士一次試験に合格し、初めて二次試験を受験したが結果は不合格だった。
そのため、今年の受験に向けて改めて試験対策を構築している今日この頃。
今回は二次試験における製図試験に用いる資格学校について私見を語りたい。
一級建築士二次試験に合格していない身で語るのもおこがましいかもしれないが、同じ立場の方がいたらぜひ共有したい。
なお、前提として独学は自分には難しいと判断し、今回は講座利用、中でも資格の学校について語る。
製図の学校の占有率、合格率に意識を引っ張られないこと
製図の学校の二大巨頭は日建学院および総合資格学院だ。
それぞれ特徴があり、価格設定も違う。
毎年、これらの学校から講座受講者の合格率や占有率が発表され、実績としてHPやチラシに誇大に掲載されている。
が、これらは正直に捉える必要はないと僕は考える。
それは以下の通り。
①いずれの学校の教材は基本的によく作り込まれているため、合格する者はいずれを選択してもあまり関係ない
②合格率および占有率は出席率や模擬の結果などにより数値の調整が図られているため、錯覚しやすい
僕は二級建築士製図試験講座は総合資格学院、昨年度の一級建築士製図試験講座では日建学院を使用したため、上記は比較した目線での意見となる。
では、何をもって判断するとよいだろうか。
講座を実際に受けることを想定した視点で判断する
この投稿ではどちらの学校をお勧めすることはしない。
どちらの学校も特徴があり、見方や考え方で選択が人によって異なるからだ。
ここでは選択するための判定材料となるポイントを提示したい。
その材料は大きく5つだ。
上から順に重要度が高いと考えて貰えるとよい。
①~③は特に重要(MUST)で、④、⑤は推奨(BETTER)の位置づけだ。
①講師によるエスキス・記述チェックの頻度
②他の受講生の図面を見る機会
③講座受講人数
④教室開放日と自分のスケジュールの合致
⑤通学時間および距離
以下にそれぞれ説明していこう。
①講師のよるエスキス・記述チェックの頻度
この要素は最も大きい。
他の何よりも重要だ。
何故なら、自分で描いたエスキスや図面、記述では主観が入りすぎ、通用する解答か否かの判別が付かないからだ。
講師による客観性のある視点で自分の図面やエスキス、記述を評価してもらい、ズレを修正することで合格に近づくことが出来る。
より具体的に確認するべきは、エスキスで言えば
・講義内の課題のエスキスをチェックするか
(チェックしないと図面を書かせてもらえないくらいが良い)
・宿題の課題のエスキスをチェックするか
(宿題のエスキスを講義後に見て貰えるくらいが良い)
当たりだろう。
エスキス、図面、記述のチェックの頻度があればあるほど、客観性を獲得し、より合格のイメージが確立できる。
チェックの頻度はうんざりするくらい多いほうがいい。
うんざりする分、合格に近づくと思えば、ありがたいと考えることもできる。
②ほかの受講生の図面を見れる機会
資格の学校と通信制を比較した際に最も大きな差は、ほかの受講生の図面、エスキス、記述を見れる機会が多いことだ。
見れる機会は可能な限り多くあるべきだ。それは以下の理由による。
・①でも説明した客観性と同様に、ほかの受講生の図面を見る機会が多ければ多いほど、自分の図面や記述に足りない部分を把握でき、改善につなげることが出来る
・自分の図面とほかの受講生の図面を比較することで、自身の相対位置を把握することが出来る
一級建築士二次試験の製図試験は、例年ランクⅠは40%を維持しており、相対評価によりランク判定されるのは周知の事実だ。
相対評価されるならば、あらかじめ講座内でほかの受講生の図面と比較することで、少なくとも上か下か、グループで何番目など、自身の相対的な位置にあるかを類推することもできる。
ほかの受講生の図面を見れる機会があるかどうかを確認するため、資格の学校には例えば以下を確認してみるとよいだろう。
・毎回グループによる講評が行われるか
・図面交換による評価が行われるか
・図面講評会が行われるか
③講座受講人数
自身が受ける講座の受講人数は。大きい要素だ
何故なら、受講生が多ければ多いほど講師が生徒の図面やエスキス、記述のチェック、教室内の巡回など、一人当たりに割ける時間が短くなっていくからだ。
一人当たりに割ける時間が減るということは、講師のチェックを受けられない可能性にもつながるし、チェック精度に支障がでる恐れがある。
ある都心の教室では、一つの講座に80名参加したこともあったようだ。
一般に、一つの講座では講師は2名。そのため、講師一人で40名…小学校の一クラスの規模と思うと非常に多く、求められる水準のチェック仕切れないことも想像できる。
受験する年によって変動はあるだろうが、概ねの傾向は変わらない。そのため、担当者には事前に受講者がどの程度になるか確認しよう。
④教室開放日と自分のスケジュールの合致
仕事終わりに教室が利用できるか、休日に教室が利用できるか、その時間を事前に確認しておこう。
特に試験日が近づくと勉強にかける時間は増えていくため、作業に集中できる空間があり、有効に利用できる環境があると空間的にも精神的にも優位だ。
また、授業終了後、残って作業できるかも合わせて確認しよう。
僕の場合は家は完全にオフになる空間としているため、どうしても誘惑に駆られてしまう部分がある。
そのため、外部空間で勉強できる空間を確保することは重要だった。
もしあなたが、家で勉強しても全然集中できるなら教室開放日や時間はあまり関係ないだろう。
⑤通学時間および距離
製図試験で用いるA2サイズの平行定規は、移動する際の荷物になりやすい。
また、平行定規のみならず、筆記用具や課題用紙等、電車や徒歩移動により教室に通うのは結構億劫だ。
この項目だけで判断することはないだろうが、他の条件が同一で、学校の選択の決定打にかける際には有効な項目だろう。
自動車により通学する場合はこの項目はあまり関係ないだろうが、駐車場は無料か有料かはあらかじめ確認するとよいだろう。
毎回講座に通うために、長時間の駐車による駐車料金は積もり積もると馬鹿にならないし、試験直前になると12時間教室に滞在する場合もあるからだ。
それも必要投資と割り切れればもちろん問題ない。
資格の学校を120%利用し、合格を勝ち取ろう!
以上、資格の学校を選ぶ時の考え方を解説した。
改めて以下に挙げよう。
①エスキス・記述チェックの頻度
②他の受講生の図面を見る機会
③講座受講人数
④教室開放日と自分のスケジュールの合致
⑤通学時間および距離
他の建築や土木の資格と比較しても、明らかに建築士は費用がかかる。
ましてや製図試験になるとローンを組まざるを得ないような金額になりがちだ。
コストが相当かかる資格と言える。
折角製図の学校に通うなら、是非、合格するための確度を上げることを前提に、学校を120%利用し倒し、迷惑がられるくらいに活用しよう。
恥ずかしいとか、迷惑なんじゃないかという感情はこの際置いておこう。
そうすることでより一歩、合格に近づくことが出来るのだから。
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