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残業は害悪なのか?【地方の建設コンサルタント】

残業と切り離せない建設業界 建設業界と残業時間は切っても切り離せない関係にある。 そして、建設コンサルタントもその範疇に入る。 働き方改革が叫ばれて久しく、建設業界でも現場では週休二日制、ノー残業デーの推進など様々な施策が打ち出されている。 さて、残業とは果たして悪なのだろうか。 この投稿では残業について綴っていこう。 健康を害する残業は絶対NG 大前提として、過労死ラインと言われる 80時間を超えるような残業はもちろん問題 だ。 休日を死守する場合、通常の就業時間に加え4時間残業することになる。 過労ラインまでいかなくとも残業60時間の場合、休日を確保するならざっくり平日3時間の残業を行うことになり、基本的な就業時間である8時間に加えると11時間にもなる。 このほか、通勤や出勤の準備等を加えるとあっという間に半日以上会社に時間を費やすことになる。 一日の半分以上が仕事で埋まるのは、自分の余暇や勉強の時間を確保できない意味でストレスフルであり、精神を疲弊する原因となる。 改めて言うまでもなく、健全な仕事をするには、健全な肉体と精神が必須であり、純粋に長時間の労働は健全性を蝕んでいく。 ひとが人並みの生活をするためには、健康と引き換えに残業をしてはいけない。 残業には良い・悪いに分けられる とはいえ、僕としては「すべての残業が悪だ!」を切り捨てるつもりもない。 例えば、以下のような状態であれば、時間がもっとほしいと思うのではないだろうか。 自己の成長につながると自覚している業務 自主的にやりたいと選択した業務 ポイントは、 自己のためになると納得しているか だ。 例えば、僕は学生まではよくTVゲームをやっていたが、ハマると時間を忘れてどんどんのめり込んでいってしまう。ゲームをやりながら寝落ちしていたなんてよくあった。 その感覚と一緒で、自分が興味を持っていたり、やりたいと考えていた業務に従事することになれば、時間がかかっても楽しくできるのではないだろうか。 僕は、これを良い残業と呼びたい。 肉体、精神を摩耗する残業=悪い残業 一方、こんな残業はとてもではないが楽しくは出来ないだろう。 納期に追われ、常に考える余裕がない業務 膨大な量の業務を自分だけで

地方の建設コンサルタントにおける若手社員のキャリアパスを考える【地方の建設コンサルタント】

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地方の建設コンサルタントのキャリアパス 働くうえで、自分がどのようなキャリアパスを描けるのかは、入社前のかたには大きな関心ごとだと思う。 今回は地方の建設コンサルタントのキャリアパスについて綴ってみたい。 「線路」はないが、「通過点」はある 初めに、 地方の建設コンサルタントに確立されたキャリアパスはない。 キャリアパスは、結局自分の人生の上に形成されるものなので、人によって変わるし、これが正しいというものもない。 例えるなら、このレールに乗れば間違いなく目的地に着くという「線路」はない。 ただし、 「線路」はないが、「通過点」は存在する と僕は考えている。 「通過点」については、土木学会から有益な資料が配布されている。 土木技術者資格とキャリアパス http://www.jsce.or.jp/opcet/01shikaku/2011_05.pdf この資料は、土木学会で認定している土木技術者制度の解説だが、キャリアパスの参考になる点が多く記載されている。 以上の資料を抜粋して再編集した表1を以下に示す。 表1 (「土木技術者資格とキャリアパス」表1土木技術者グレードガイドラインを基に再編集) この表を基に、特に40歳~までを解説していこう。 学卒、28歳~→1~7年目は基礎を形成する時期 まず、建設コンサルタントは、実務経験によるところが大きい。 そのため、基礎を習得する期間が必要となる。 表1では、学卒から28歳、言い換えれば、 入社7年間は基礎能力を醸成する期間 と言える。 すこし話はそれるが、あなたは 10000時間の法則 という言葉は聞いたことはあるだろうか。 仕事でも趣味でも何事も10000時間投入すれば、その業界で一人前の能力を獲得できる考えがある。 1日8時間、年間休日120日、実働245日とした場合、この10000時間を確保するために必要な年数は、以下の通りだ。 10000時間 / 8時間/日 = 1250日 1250日 / 245日/年 =  5.1年 以上は仮定ではあるが、 一人前になるには5.1年が必要 となる計算となる。 実際は、研修や会議、有給など、常に実働245日働いているわけではないため、5.1年よりも少々伸びるぐら

地方の建設コンサルタントの若手が取得すべき資格2【地方の建設コンサルタント】

地方の建設コンサルタントの若手社員=資格は重要 以前の投稿に引き続き、地方の建設コンサルタントを希望する若手社員に向けた資格の話を綴っていこう。 以前の投稿でもつづった通り、この投稿では、 入社前にでも取得可能であり、保有することで就活の際に有利に働き、入社後取得しても若手の間であれば一目置かれる資格 を説明していく。 以下の二つだ。 ①測量士補 ②技術士補 前回は①測量士補について解説した。 今回の投稿では②技術士補を解説していこう。 技術士補とは 技術士補、という資格を耳にしたことはあるだろうか。 僕は入社するまで、その資格やその上位である技術士という資格を認知していなかった。 だが、建設コンサルタントにおいては、切っても切り離せない資格である。 社内の昇進にはもちろん、社外に対する信頼、果ては転職など、取得することによる影響の範囲は広い。 技術士補は、公益財団法人日本技術士会が管轄する国の認めた技術系の資格の一つだ。 以下、技術士についての引用を示す。 「科学技術に関する技術的専門知識と高等の応用能力及び豊富な実務経験を有し、公益を確保するため、高い技術者倫理を備えた、優れた技術者」の育成を図るための、国による資格認定制度(文部科学省所管)です。  科学技術に関する高度な知識と応用能力及び技術者倫理を備えている有能な技術者に技術士の資格を与え、有資格者のみに技術士の名称の使用を認めることにより、技術士に対する社会の認識と関心を高め、科学技術の発展を図ることとしています。 技術士とは、その名の通り、我々の生活の基盤を成す特定の「技術」に特化したスペシャリストと言える。 技術といってもその分野は広いが、技術士では計21部門カバーしており、水産、航空、原子力など、その範囲はかなり広い。 部門の下には特定分野がさらに細分化されており、その範囲は膨大となる。 このうち、建設コンサルタントに関わる特に重要な部門は、以下だろう。 建設部門 上下水道部門 情報工学部門 応用理学部門 環境部門 建設コンサルタントだから建設部門、というわけでも実はない。 例えば、建設コンサルタントでは業務としてGIS(地理情報システム)を受注することもあるが、これは技術士の建設部門というより

会社の年齢構成を踏まえた若手社員の社内での立ち位置【地方の建設コンサルタント】

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地方の建設コンサルタントの年齢構成ってどうなっているの? 就職活動をしている際に、建設コンサルタントのHPやリクルート関連のサイトを見ると社員数、パート人数は把握できるが、どんな年齢構成かは案外わからない。 今回は地方の建設コンサルタントの年齢構成について綴っていく。 僕が書く内容はどこも全く同じという話ではないが、 同業者や業界の動向を基にある程度の傾向をなぞれる内容になると考えている。 偏った年齢構成 結論を言うと、地方の建設コンサルタントでは、 年齢構成が偏りがち だ。 以下は僕の勤めている会社の年齢構成をグラフに表したものだ。 上表は社員やパートをすべてあわせた、30~50名の規模の会社と捉えてもらいたい。 社員とパートを分けるべきとも考えたが、働く環境においてはパートさんも存在するので、実感値に近いと考えまとめた形で分けてみた。 世代ごとに分けると、以下のようにまとめられる。 20代…13% 30代…25% 40代…23% 50代…16% 60代…23% この表を基に各年代について特徴を記していこう。 20代は最も少ない割合 20代としての割合をみると、全体の13%。 さらに前半と後半に分割すると、それぞれ9%、4%。 全体で見てもかなり低い割合であることが分かるだろう。 大学卒業の2年のハンデを考えてもやはり少ない。 そもそも 入社する人数が少ない、というわけではない。 案外、入社してくる割合は一定数、毎年若干名ではあるが入社している。 僕が入社してきてからみても、大学卒業の新入社員は7名は入社している。 一方、残念ながらそのうち3名は数年働いた後辞めてしまった方もいる。 今年の新入社員も3年後残っているか、今後どうなるかは読めない。 折角入社してしまった社員が辞めてしまう件については、別に投稿しているので、以下を参照してほしい。 中堅30代、40代の層はそれなり 30代、40代は経験を積み、応用力を習得し、有益な資格を獲得し、会社としても 実働部隊 と言って良い立ち位置の方たちだ。 マネージャーなどの手腕もあるが、 会社の基礎体力はこの世代が担っている といっても過言で

地方の建設コンサルタントの若手が取得すべき資格1【地方の建設コンサルタント】

地方の建設コンサルタントの若手社員=資格は重要 この投稿では、具体的に地方の建設コンサルタントが取得すべき資格を列挙しよう。 土木業界で取得すべき資格はある程度決まっている 結論的に言えば、 土木業界で有効な資格はある程度定まっている。 日経コンストラクションでは、毎年建設業界で役立つ資格を特集している。 以下のリンク先の画像を確認していただきたい。 https://tech.nikkeibp.co.jp/kn/article/building/news/20120119/556890/ 留意する必要があるのは、 建設コンサルタントで人気な資格は、実務経験が一定年数必要 ということであり、就活中の学生や入社前後の新入社員には各々の資格の位置づけの理解が難しいかもしれない。 今回は、 入社前にでも取得可能であり、保有することで就活の際に有利に働き、入社後取得しても若手の間であれば一目置かれる資格 を説明していこう。 以下の二つだ。 ①測量士補 ②技術士補 上記のうち、この投稿では①測量士補を解説していこう。 測量士補 地方の建設コンサルタントは、測量や測量設計が経営基盤となっている会社が多い。 近年ではドローンによる写真撮影や3Dスキャナを利用した点群収集など、最新技術を導入している目覚ましい動きを見せる土木業界だが、その技術自体の基盤、言い換えれば基礎になっているのは測量なのだ。 測量の定義は以下の通り。 測量 (そくりょう)は、 地球 表面 上の 点 の関係位置を決めるための 技術 ・ 作業 の総称。 地図 の作成、 土地 の 位置 ・状態調査などを行う。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%AC%E9%87%8F ラフに言えば、 地図を作る仕事全般を担う仕事 として頂いてよい。 そして、僕のような 設計を担うものは、測量なしでは仕事が出来ないという関係性を持つ。 設計のみを受注する会社だとしても、どこかの測量会社が測量を実施した図面を基に設計を行う。 測量を知っておくことで、不備や知るべき情報が理解、指摘することが出来る。 その意味で、 設計を目指す方も測量は理解しておいて損はない。 もちろん、測量として入社する場合はなおのこと知る必要がある

地方の建設コンサルタントに資格の取得を勧めたい4つのメリット【地方の建設コンサルタント】

建設コンサルタントに資格って重要なの? 建設コンサルタントとして働くに当たり、資格から切り離せない。 地方の建設コンサルタントにとっても、これは死活問題と言える。 今回は建設コンサルタントにおける資格の意義を解説したい。 資格は能力の証明 何故、建設コンサルタントに資格が必要なのだろうか。 資格の機能は、主に以下の二つがあるだろう。 ①独占業務への従事 ②能力の証明 以下に解説していこう。 ①独占業務への従事 これは、その資格保有者でないと、業務に従事できないことを意味している。 例えば建築士がその最たる例だ。 資格を保有していない一般人は、原則建物を建設することが出来ない。 これは建築基準法により規定されていることに起因する。 仕事でいえば、特定の資格を保有することで、同じ資格を保有している者以外が参入してこない。 これにより、資格保有者にその仕事を限定することで、品質を維持することにつながるのだ。 資格を保有することで、独占的に仕事を占有することが出来る といえる。 ただし、建設コンサルタントでは、特定の資格がなければ業務に従事できないということはない。 より重要なのは次の事項だ。 ②能力の証明 建設コンサルタントではどのように個人の能力を証明できるだろうか。 自身で「僕は○○できます!」といっても、本当かどうか疑わしい。 そのため、客観的な視点が能力の証明には必要となる。 概ね、二つの軸がある。それが以下の二つだ。 ①経験 ②資格 ①経験は従事した時間が必要となる一方、 経験年数が長いだけでは能力が高いとは言い難い。 その本人がどれだけ理解したか、応用が効くか等が、本当の経験と言えるが、これは経験年数があれば高いといえる因果関係はない。 なにも考えず、だらだら業務に従事しても経験年数にはカウントされてしまうからだ。 一方、②資格は、発行団体が認める水準を超えたことを証明した一種の信用であり、上述の理由から 経験年数よりも説得力がある。 資格によっては経験年数が必要なものも多いが、これは最低限必要な年数であり、①経験とはまた異なることに留意したい。 建設

建設コンサルタントと残業時間【地方の建設コンサルタント】

切っても切り離せない業務量と残業時間の関係 建設コンサルタントはいわゆる建設業界として認識されている。 そして、建設業界は残業という言葉から無縁とは言えない関係性となる。 今回は 地方の建設コンサルタントにおける業務量と残業時間の関係 について解説しよう。 また、あまりきれいごと書いても実態に即さないため、残業時間については正直な時間を書いていく。 地方の建設コンサルタントには仕事の波がある 結論的に言えば、 地方の建設コンサルタントの場合、業務量に比例して残業時間も増加する相関関係がある。 そして、この業務量は年間、特定の時期において変動がある。 なぜか。 これは、 発注者の年度替わりや予算消化に合わせて業務の納期が設定されることが多い ことに起因する。 当たり前と言えば当たり前だが、発注者の状況によって、地方の建設コンサルタントは納期を規定されるのだ。 今回は以下の3ツの時期に分けて見た。 ①閑散期…4~9月 ②繁忙期前半…10~12月 ③繁忙期後半…1~3月 具体的にどんな時期があるかを以下で見ていこう。 閑散期(4~9月) この時期の発注者は、自治体によっても異なるが、予算編成の時期が多い。 つまり、予算の組み立てを行っているため、 具体的な業務の量が比較的少ない時期 だ。 会社としては、研修などによる社員のスキルアップ、社内旅行などによる社員の慰労、会社の体制構築や設備投資など、次の繁忙期や将来に向けた投資など、 仕込みの時期 ともいえる。 この時期の地方の建設コンサルタントは残業時間もそれほど多くない。 人にもよるが、 実感値としては25時間/月ぐらい。 日当たりに直すと、 残業1時間/月程度、9時間労働。 この程度だと、よほどのことがない限り休日出勤もない。 長いか短いかは人の感じ方によるので、絶対的な評価はここでは行わないが、地方の建設コンサルタントのこの時期で言えば、想定的に少ない時期となる。 繁忙期前半(10~12月) この時期の発注者は、予算編成が終わり、事案について議会を通過した業務が徐々に発注される。 そのため、徐々に業務が増加してくる。 この時期に業務量がほぼ固まる といってもよい。 また、この時期に発注された業務は、当

歴史を築いた技術者に対する感謝と陳情

■まずは感謝を どの業界にも古参というか古株というか、熟練した技術者はいるものだ。 彼らはその業界の歴史を刻み続けてきた世代であり、人材であり、生き字引だ。 彼らがいなければ、今の僕の働き口もなかったかもしれない。 その意味で言えば、諸先輩方の皆々様には、これまで歴史を紡ぎ、今日まで歴史を維持していただいた点で感謝を申し上げたい。 ■技術者の最終目標とは ところで、優れた技術者の到達点はさまざまな考えがあると思う。 僕の元上司が発言した言葉で、思わず膝を打った言葉がある。それは、 「自分のコピーが増えること」 だ。 古参の技術者の普遍的な価値は、自分の理論、知識、ハウツー、様々な要素が絡み合い、深化しきっている「思想」が挙げられる。 「技術」は時代の流れには抗えない。当時は最先端だった技術も、消費期限があり、いずれは陳腐化するし、その速度は年を追うごとに早まってきている。 それでも、自分の爪痕を歴史に刻み込みたい。そのためのひとつの手法は、自身のコピーが増殖することによって果たされる。それが、技術者のひとつの到達点であると、その上司は語っていた。 自分一世代で完結しない、自分の「思想」を、後世に繋げること。 技術者のゴールとして、その上司の言葉は心に響くものがあった。    ■そして引導を 技術者の「思想」の継承。これがひとつのゴールだとするならば、古参の技術者は、場合によっては窮地にたたされる可能性がある。 古参の技術者の価値は、技術の歴史図鑑でない。 もっと抽象的な「思考」の方法であり、そのためのマインドセットとなる「思想」こそが、本質的に求められている事柄だ。 技術は歴史のひとつでしかない。 技術は時代の要請に応じて進化していくのだ。 かつてスタンダードと言われた平板測量は、最早オーパーツ宜しく、遺産と化したことが、正にその象徴と言える。 だからこそ、僕は古参の技術者に問いたい。 貴方は技術者として、何を成したいのか。 自らの知識や経験のみをひけらかすことが、貴方の本当の価値なのかと。  本当にそう信じているのなら、僕としては、最大限の優しさを持って、業界からの勇退という引導を渡したい次第だ。

建設コンサルタントが求められる成果品の4つの内容【地方の建設コンサルタント】

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建設コンサルタントの仕事はどのように収められるか 今回は成果品について解説しよう。 成果品とは? 建設コンサルタントで指す成果品は、一言で言うと、 発注者が委託した業務の証拠 、と言い換えてもよい。 発注者としては、デジタルな内容でもモノという媒体が求められる。 具体的には、チューブファイルが主流だ。イメージはこんな感じだ。 https://illpop.com/img_illust/gadget/file01.png このほか、設計図面や3次元データ等を格納するために、CDやDVD、外付けHDDとする場合もある。 成果品はモノありき 、と覚えて貰えれば十分だ。 また、成果品の規格や数量は、発注者が提示する特記仕様書に明示されていることがほとんどであり、成果品の必要根拠は特記仕様書を基にしている。 成果品の内容 成果品の内容や中身は、業務によって分かれるが、実施レベルで言えば概ね以下の通りだ。 ①報告書 ②図面 ③数量計算書 ④参考資料 それぞれ解説していこう。 ①報告書 報告書は、委託された業務をどのような考え方を基に進めたかを示す資料だ。 成果品に求められること、それは確実なトレーサビリティだ 。 誰がその報告書を読んでも、採用した工法の決定根拠、工事方法の解説など、 なぜその設計図面になったのかを追跡できる ことが、 報告書に求められる機能 だ。 主にWord等で作成されることが多く、設計業務の60%は報告書で構成されているといっても過言ではないだろう。 報告書がないと何が起きるだろうか。 設計図面のみを成果品として提出しても、何を根拠に決定したのか分からないと、委託した発注者が所内だけにとどまらず、議会やサービスを受ける市民に説明できなくなる。 説明できなくなると、過剰な設計をしたのではとか、無駄な工事になるといった憶測が生じてしまう。 誰が読んでも納得できる根拠を提示する。 それが報告書の役割だ。 ②図面 図面は、一言で言えば、 工事が出来る内容が記載された図書 だ。 施工会社は、図面を基に工事を進めていく。 その図面は、建設コンサルタントが作成したものが大半だ。 図面は、報告書を基に

仕事で精神崩壊しそうになった社会人5年目の僕が実施した4つの行動 その2

■自分を防衛する具体的な方法 この投稿は以下の投稿の続きだ。 対策を打つ必要があると痛感した記録となる。 「仕事で精神崩壊しそうになった社会人5年目の僕が実施した対策 その2」 https://local-construction-consultant.blogspot.com/2018/11/5.html さて、前回の投稿を踏まえて、サラリーマンには何ができるだろうか。 実際に僕がとった行動は以下の通り。 ①自己防衛の徹底 ②経営層への働きやすい環境に関する制度の紹介 ③パートさんの増員要請 ④出勤、退勤時間の記録の徹底 以下、それぞれ解説していこう。 ①自己防衛の徹底 仕事を相談される、応援に駆り出される。 これは頼られている証拠であり、これ自体はいいことだ。 ただしむやみやたら受けていると、結局自分の首を絞めてしまう。 誰もが業務上、身体上、精神衛生上耐えうるキャパシティがある。 このキャパシティを超えると無理が生じ、負荷がかかり、負荷に耐えられなくなった結果、心身に以上をきたす結果となる。 だから、キャパシティを超えないような仕事を僕たちはする必要がある。 そのため、僕は仕事を請け負う際にマイルールを設定した。 ・応援は自分からはしない ・それでも応援要請があった場合、期限を問う、守らせる ・当初の予想外の応援要請があった場合、さらに上の上長に報告 ・自分の業務担当を盾に仕事を受けない 組織としてその振る舞いはないだろう!みたいな内容かもしれない。 もちろん場合によっては臨機応変に対応するが、重要なことは、 自身のキャパシティを十分認識したうえで仕事を請け負うべきということであり、選択権は自身にある ことを強く持つことであり、 自分と会社や上司、どちらがより大事かを天秤にかけて判断する冷静さ だ。 ②経営層への働きやすい環境に関する制度の紹介 人間には、身体上、精神衛生上最低限休息すべき時間がある。 それを保障するのが 勤務間インターバル制度 だ。 詳しくは以下のリンクを参照していただきたいが、この制度は働き方改革法に基づいた事業者に対する努力目標としている。また、欧州ではすでに導入されている制度だ。 https://www.mhlw.go.jp/seisakun

他人に仕事を任せて自身の仕事を効率化する

仕事で大切な心構え サラリーマンでもフリーランスでも、仕事を効率化したいことには変わりはないのではないだろうか。 その中で、僕が意識している仕事の仕方をメモとして挙げておきたい。 問:その仕事、あなたがやる必要ありますか? これだけ聞くと、やる気がない発言に聞こえるかもしれない。 ポイントは、 技術的に、あなたでないとできるかできないか 、だ。 説得が求められる打合せ資料や報告書など、ロジックや数式が求められる仕事は、あなたが担当する方が、パートさんに依頼するよりも効率がいい。 他方、グラフや図版の作成、図面修正、数量計算書のチェックなど、一定の型が理解できれば出来る作業は、あなたでなくともできると言える。 そのような仕事は、パートさんに入ってもらった方が効率が良い。 なにも面倒くさい仕事を押し付けろ、という意味ではない。 仕事は、 適した人材に適量配分することで、効率が最大化される からだ。 業務をブレイクダウンする パートさんにはそんな能力はない、と思う方もいるかもしれない。 が、僕は運用の仕方次第だと考えている。 例えば、資料の作成は、パートさんに丸投げしても作ることは難しい。 しかし、その資料はパート分けできるのではないだろうか。 文章 図版 グラフ このパート分けを自分やパートさんを含めた人員に割り振り、図版のつくりかたや最終的なアウトプットのイメージの作業工程を 細分化(=ブレイクダウン)することができれば、パートさんにでもできる ことが多々ある。 往々にして、どんなに豪華絢爛で緻密でボリュームのある資料作成だとしても、 突き詰めれば小さな作業の集積 だ。 資料作成についていえば、社員が考えるべきことは資料の作成自体ではなく、資料を作成するためのロジックやストーリーづくり、体系の構築など、 資料の根底である「何を伝ええ、何を決するか」を考えつくす に注力すべきだと僕は考える。 自分の時間を拡張する 異なる視点で見ていこう。 自分を含め、だれもが限られた時間しかもっていない。 時間は有限だ。 こればだれもが同意することだろう。 自分が1日にできる仕事の時間を100%として、資料の作成で100%使う

建設コンサルタント志望の就活生のCADに対する不安への回答

就活生が不安なことのひとつ、CAD 就職活動が徐々に加速してくる時期だ。 僕は、これまで会社の採用活動の関係で、1年目から合同説明会や社内での会社説明会の一部を担当してきた。 その中で、僕が所属する設計部について良くある質問のひとつの系統が、 「理系の大学ではなかったので、CADが使えるかわからない」 「会社で使っているCADってなんだか難しそう」 など、CADに関する事柄だ。 今回は僕が思うCADについて説明したい。 CADは所詮は「手段」 結論として、CADは難しくない。 土木業界で使われるCADのソフトウェアには、Autocadをはじめ様々あるが、基本の基本は一緒だ。 コンピューターを使って電子的に線を引き、図面を描く。 これに尽きる。 設計図面なんて言われるとなんだか難しく聞こえるかもしれないが、極端に言えば 設計図面は線の集合体 でしかない。 CADは、そのための手段に過ぎないのだ。 そしてこの手段自体はそれほど難しくはない。 例えるとするなら、自転車が分かりやすいかもしれない。 誰もが最初は自転車に乗れない。 乗り方を知らないからだ。 バランスのとり方、ハンドルの方向の設定、ペダルの漕ぐタイミング、いろんなことを試行錯誤しながら、段々と乗れるようになり、結果、無意識でもバランスを取り、ハンドルを向きをコントロールしながら、ペダルの踏み込み具合でスピードを調整している。 CADも同様に、 誰もが最初からCADの操作なんて知るわけではない。 線を引くのにどんなコマンドがあるのか、線種や線色はどのように設定するか、レイヤーの考え方などを試行錯誤しながら使っていくうちに、やがて手の代わりとなって、いちいち考えなくともショートカット等を使いこなして線を引くようになる。 そして、仕事で毎日使えば、1カ月あれば、大体書きたい形や一通りのハウツーは身に着けられる。 個人的な実感値としてもそうだし、CADを今まで使ったことのない僕の後輩やパートさんが覚える際も、 大体1カ月あれば一通りは使える ようになる。 CADは線を引くためのただの手段、道具 なのだ。 そう考えたら、ちょっとハードルが下がるのではないだろうか。 CADより大事なことは「図面を読むこと」 C